期待して走ったら火の用心だった話(でもそれも悪くない)

ランニング

今日は、最近のランニングで起きた、ちょっと間の抜けた、でもなんだか好きな出来事について書いてみようと思います。


ランニングのコースって、本当にいろいろありますよね。

河川敷を走ったり、山の中を走ったり、整備された自転車道を走ったり。どれもそれぞれ良さがあって、自然の中を走ると空気も気持ちいいし、車が来ない安心感もあるし、景色もきれいでリフレッシュできる。

わたしもそういうコースは大好きです。

でも最近、あらためて気づいたんです。

「街中を走るの、めちゃくちゃ楽しいな」って。


普段、わたしは車通勤です。

だから日常の景色って、実はすごく限定されているんですよね。決まった道を、決まったスピードで、なんとなく流し見している感じ。

信号、前の車、時間、そういうものに意識が向いていて、「景色を楽しむ」というより「移動している」という感覚の方が強い。

でも、これがランニングになると、まったく違う世界になるんです。

スピードがゆっくりになるだけで、見えるものが増える。

視界に入ってくる情報量が一気に変わる。

「あれ、こんなお店あったっけ?」
「このカフェ、外観めっちゃおしゃれじゃない?」
「え、こんなところに古着屋あるの?」

本当に、小さな発見がぽろぽろ出てくる。

しかもそれが、わざわざ探しに行ったわけじゃなくて、「たまたま見つけたもの」っていうのがいいんですよね。

ちょっとした宝探しみたいな感覚。


そんな中で、ずっと気になっていたものがありました。

通勤途中の小道に立っている、赤い旗。

これがね、絶妙な位置にあるんです。

大通りから少し外れた、小さな道の入口あたり。

車で通るたびに視界に入るんだけど、ちゃんと確認するほどでもない距離感。

でも確実に「気になる」存在。


最初に見たときから、わたしの中ではもうストーリーができていました。

「これ絶対、新しいお店でしょ」

・ひっそりオープンした定食屋さん
・地元の人しか知らない穴場の飲み屋
・もしかしたら人気が出る前の隠れた名店

そんな想像がどんどん膨らむ。

しかも、狭い小道沿いっていうのがまたいい。

ああいう場所って、チェーン店じゃなくて個人のお店が多くて、「当たり」が潜んでいる確率が高い気がするんです。

勝手な持論だけど。


車で通るたびに、その赤い旗をちらっと見る。

「気になるなぁ」

でも車では入れないし、わざわざ降りて確認するほどの時間もない。

だから、気になり続けるだけの存在。

こういう「未回収の伏線」みたいなの、地味に頭に残りません?


そしてある日、思ったんです。

「これはもう、走って行くしかない」

ランニングなら、自由に道を選べるし、気になる場所に立ち寄れる。

しかも今回は目的がある。

ただ走るだけじゃなくて、「あの赤い旗の正体を暴く」というミッション付き。

ちょっとした冒険です。


その日は、いつもより少しだけワクワクしながら走り出しました。

「今日はあそこに行くんだ」

ゴールがあると、やっぱり楽しい。

ペースも自然と上がるし、気持ちも前向きになる。

途中で見かける景色も、「前振り」みたいに感じる。


そして、例の小道が見えてきました。

「あ、ここだ」

何度も車で見ていた場所。

でも自分の足で来ると、やっぱり印象が違う。

少しだけ緊張感もある。

「どんなお店なんだろう」

「当たりだったらいいな」

そんな期待を抱えながら、その赤い旗の方へ近づいていきました。


そして、到着。

目に入ってきた文字。


火の用心。


一瞬、理解が追いつかなかったんですよね。

「ん?」

「……ん??」

「え?」


火の用心の旗でした。


いやいやいや。

そっち???っていう。


完全に、わたしの頭の中では「グルメ案件」だったんです。

定食屋か、飲み屋か、カフェか。

どれかしらは当たると思ってた。

なのに、まさかの防災。

方向性が違いすぎる。


その場でちょっと笑ってしまいました。

「これはないわー」って。

いや、あるんだけど。

普通にあるんだけど。

期待していたものと違いすぎて、もう笑うしかない。


でも同時に、こうも思ったんです。

「ああ、これがランニングのいいところだな」って。


もしこれが車だったら、多分ずっと気になったまま終わっていた。

「あの旗なんだったんだろう」って思いながら、確認することもなく通り過ぎ続けていたと思う。

でも走ったからこそ、ちゃんと自分で確かめて、そしてオチまで回収できた。

しかも、ちょっと笑える形で。


期待は外れたけど、体験としてはむしろ「当たり」。

こういう出来事があると、ランニングの記憶ってただの運動じゃなくて、「エピソード」になるんですよね。


それに、よくよく考えたらタイミングも絶妙でした。

春先って、風が強い日が増えるし、空気も乾燥しやすい。

火事のリスクが高くなる時期。

「火の用心」って、まさに今必要なメッセージ。


わたしのワクワクは、見事に消火されましたが、

その代わりに、ちゃんと大事なことを思い出させてもらいました。

うまいことできてるなぁ、なんて思ったりして。


こういう「期待して勝手に盛り上がって、勝手にズレる」体験って、ちょっと恥ずかしいけど、でも嫌いじゃないんですよね。

むしろ、あとからじわじわ面白くなるタイプ。


ランニングって、タイムを縮めるとか、距離を伸ばすとか、もちろんそういう目標も大事だけど、

こういう「どうでもいいようで、ちょっと笑える出来事」を拾えるのも魅力だなって思います。


さて、そんなわけで。

今朝もこれから朝ランに行ってきます。


次はどんな発見があるんだろう。

今度こそ、本当にお店を引き当てたい気持ちもあるし、

でもまた変なオチでも、それはそれでいい。

どう転んでもネタになる。


そんなゆるいスタンスで走れるようになったのも、続けてきたからこそかもしれません。


とりあえず今日の目標はひとつ。

「赤い旗=全部店じゃない」という学びを活かすこと。


……いやでも正直、また期待すると思う。

だって、ああいう小道って、やっぱり何かありそうなんだもん。


わたしのワクワク消えないうちに走りに行ってきます!

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